先日、群馬県行政書士会にて「相談業務研修」の講師としてお招きいただき、登壇してまいりました。
ご依頼いただきました内容は、「コミュニケーションの取り方のポイントや、相手の気持ち、情報をうまく引き出すための相談技法」で、研修時間は3時間、当日は総勢50名以上の方が受講されていました。
会場はとても広く、天井が高く、シャンデリアが輝いており、普段研修を行っているような会場とはあまりに雰囲気が違うので、最初はびっくりしましたが、広々とした空間でのびのびと研修をさせていただくことができました。
この研修は、東京会のADRセンター(調停センター)へ依頼いただいているもので、これまで歴代のセンター長が講師として呼ばれておりましたが、今期より、私が行政書士ADRセンター東京の次長(副センター長)となったこともあり、次長ではありますが、担当させていただくことになりました。
3時間と言う長丁場ではありましたが、2人1組のワークや個人ワークを交えながら、私自身はとても楽しく(笑)講義をさせていただくことができました。
研修内容としては主に、以下のような内容をお伝えしてまいりました。
・相談とはなにか?
・相談業務のプロセス
・コミュニケーションとはなにか?
・傾聴はなぜ難しいのか?
・自己理解のヒント(傾聴の出発点)
・傾聴を支えるスキル
・ニーズや本音に寄り添う意義
・相談員として大切にしてほしいこと
傾聴のワーク(厳密には、“傾聴ではない”コミュニケーションを感じていただくワーク)を行い、逆説的に傾聴の重要さを体感いただきつつ、傾聴というものの本質やよくある誤解、効果やその意義などをお伝えしたり、共感を妨げるものとして自身のフレームを確認する個人ワークや、共感と同感の違いなどについての解説も行いました。
講義のあとは、質疑応答も行いました。質問はなかなか出ないことも多いのですが、今回はとてもたくさんの質問をいただきました。
「相談者の方に気づいてほしいことがあるとき、気づきを促すにはどうしたら良いか?」
「怒りの後ろにある真の感情を知るコツは?」
「相談者の方の発言が過激な表現だった場合、こちらがその内容を繰り返す際の注意点はあるか?」
「マスクをしている状態での目線のあり方について」
「無意識に行っている相槌の癖に気づくにはどうしたら良いか?」
などなど、いずれも具体的で踏み込んだ内容が多く、実践の場をリアルに想像しながら真剣に聞いてくださっていたのだなと、講師冥利に尽きる思いがしました。
また休憩時間に「子育てにも直結する内容で、子育てで大変な思いをしている真っ最中のいま聞けて本当に良かったです!」とお声がけくださった方がいました。私自身もこの内容は、相談対応業務だけでなく、日常のさまざまな場面で、そして特に子育てや夫婦、家族や友人関係など、悩みが多くかつ継続性のある人間関係の中でこそ活かせる知識やスキルだと感じているので、それを受け取ってくださった方がいたことに、心から嬉しい気持ちになりました。
調停という現場からの経験、心理学の学び、ファシリテーターやカウンセラーとしての知識や経験、などをこのように融合させて活かせる機会をいただけて、本当に嬉しい限りです。
コミュニケーションが変われば、人間関係が変わる。人間関係が変われば、人生が変わる。と、私は感じでいます。
このような研修を通して、誰かの人生が、組織が、世界が、少しでもよいものになる上での貢献ができれば、幸いです。
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