保育園で法教育 〜 公園のきまりはなんのため? 〜

保育園で「法教育」を実施いたしました。

もともと行政書士として、これまでさまざまな小・中・高校で「法教育」の授業をしてきましたが、この度、保育園での未就学児向け法教育に、初めてチャレンジしてみました!(東京都内でも、ほぼ初めてに近い試みに違いない・・・)

そもそも「法教育」とは、法務省のサイトから引用すると「〜略〜 法的なものの考え方を身に付けるための教育」です。そのため、法学部の学生が法律の条文や内容を学ぶような「法学教育」とは異なり、考え方を伝えることに重点が置かれています。

日本で広まるきっかけとなったのは、2009年裁判員制度導入の際ですが、昨今は、2016年選挙権年齢引下げ、2022年成年年齢引下げとますます必要性が高まっているタイミングではないかと思います。

ただ「法教育」というと、なんだか難しく聞こえますよね。あるいは、「ルールは守ろう!」なんていうつまんない授業を想像されてしまうかもしれません。そんな授業、誰も受けたくないですよね。少なくとも私は嫌です!

私が届けたいのは、難しくなくて面白い。ルールを守ろうなんて杓子定規なものでなく、そもそも何のためにルールってあるんだろう?なぜその内容?本当に必要?どんなルールが良いんだろう?までをも考えられるような、そんな授業です。

今回、この考え方が保育園の方針ともぴったり合致した結果、開催に至りました。

保育園の理事長が、常々大事にしている考え方の1つに、子どもたちを思考停止にさせない、というのがありました。

ルールは守るもの、戦争は悪いもの。確かにそうだけれど、その背景には何があるの?どうしてそうなっているの?そこまで想像して考えてみよう、と。本当に素晴らしい理事長だなと思います。

法律もルールも、その目的や背景から理解しようと試みたり、どうしてそうなっているかを想像してみたり、そのあり方が本当に適切なのかにも思いを馳せてみたり、そんな風に自分でも考えてみる機会がとても大事だと思っています。そして何より考え続けることをやめないことも。

こんなことを伝えたいのが、私なりの「法教育」です。

今回子どもたちが、次々と手をあげて自分の意見を述べていく姿や、グループで話し合って結論を出していく様子に、ここまでできるんだ!と感動してしまいました。


園の先生たちからも、ここまでたくさん意見を言えると思っていなかった!予想していたよりはるかに深く考えられた意見が出て驚いた!私たち自身にとっても気づきと学びの時間になった!などの嬉しい感想をいただきました。

また私には、このような機会を通じて、法的思考の学びのほかにも、もうひとつの狙いがありました。

親から言われた、先生から言われた、ルールがこうなっているから、ではなく、世の中のいろいろなことについて、自分でも考えてみる、自分はどう思うのか、自分なりの意見を持ってみる、ということも大事にしてほしいなと思っています。

そして同時に、仲間の意見にも耳を傾けてみて、相反する意見や少数派の意見について、自分はどう感じ、どう受け止め、どう対応するのか、自分なりのあり方を探していく。そんなことも、体験していける機会にできるといいなあとも思っています。

これからも、楽しくて気づきのある授業をたくさん届けていきたいと思います!

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